銀行(金融機関)の融資審査は2段階で実施される
簡易的に融資の可否判断を行う時の考え方をお伝えします。
正確には、各金融機関独自の審査基準に準じて行われますが…概要は以下です。
■金融機関は、融資(資金調達)の依頼を受けた時、
◆第1ステップ:最初に、融資できるか?できないか?
◆第2ステップ:次に(融資できると判断した時)、いくら融資できるか?
この2段階で検討します。
第1ステップの判断基準は…融資できるか?できないか?
○返済できそうかどうか?返済原資はあるか?
・(税引き後利益+減価償却費)簡易キャッシュフローを確認します。
・損益計算書から、償却不足や役員報酬等の妥当性を判断します。
・償却不足は正しく補正します。過小な役員報酬は増額して利益を減額します。過大な役員報酬は減額して利益を増額します。
・上記の様な損益計算書の補正を行って、より正確な簡易キャッシュフローを算出します。
・簡易キャッシュフローが、純借入額の10分の1以上あれば(債務償還年数10年以内、不動産担保融資は20年以内と判断することもあります。)、正常な返済ができている、追加融資分の一定額も返済できそう、と判断されます。
○財務が健全かどうか?
・資本正(債務超過でない)は重要です。
・外形上資本正でも、大きな不良資産はないか?不良資産と見なせばその分を資本から減額します。
・逆に、外形上債務超過でも、役員からの借入金や役員への未払金は、一定の条件を満たせば資本に組み入れて判断します。
●返済できそう&財務が健全、この条件を満たせば、新規融資・資金調達の土俵に乗ります。
※日本政策金融公庫や保証協会保証付き融資は、上記の条件に対して、その取引実績と説明により、寛容な判断をもらえるケースも少なくありません。実績と説明は大変重要です。
一方、金融機関が独自に行うプロパー融資は、上記の基準に対して厳格に判断を下します。
◆第2ステップの判断基準は…いくら融資できるか?
第1ステップをクリアーした後に、融資金額の妥当性が検討されます。事業計画書の出番です。
○融資を受けるための事業計画(数値計画)書の作成にはコツがあります。
・売上目標が大きすぎると、その蓋然性の説明に苦慮します。
・売上目標が小さすぎると、その借入の返済ができません。
財務部長として当事務所が作成する数値計画は、融資金額を返済するために必要な(返済後)損益分岐点売上を基準にした資金繰り計画書です。
資金が適切に回るように逆算して作ります。単に融資のためだけの計画にはなり下がりません。
社長様に対して、最低限必要な売り上げを示唆する目標計画としての役目を果たしています。
●妥当な事業計画書の作成が必要です。
第1ステップをクリアーして、さらに第2ステップを満たす必要があります。
※第1ステップはクリアーできるが、希望金額が大きすぎる場合、当事務所では、複数の金融機関を巻き込んだ協調融資を目論みます。多くの成功実績を上げています。銀行融資を断られた後に相談に来られた社長様が「金融機関は、私の事業計画書をよく見もしないで融資を断ってきた。」と愚痴をこぼしておられましたが、第1ステップをクリアーできなければ、そもそも事業計画書の出番はありません。
■融資のご相談は、当事務所にお越しください。
融資書類の作成から金融機関対応のすべてに対して、積極的にお手伝いいたします。
・融資戦略を立案いたします。
・必要書類を作成いたします。
・金融機関との対応窓口機能を担います。
・結果として必要な資金を調達できます。(可能性が高くなります。)
※資金調達ができない時は…なぜ、資金調達ができないか、その理由をお知らせします。
財務部長代行センター 石田雄二税理士事務所