コーチングとカウンセリングの違い

コーチングという言葉が、一昔前に比べると一般的になってきました。
目標達成のための支援をしたり、モチベーションアップのためのコミュニケーションスキルとして、プロのスポーツ選手やその道を極める方々には大変重要な役割をしているようです。

また、企業におきましても、部内のノルマ達成や人材育成などの研修が盛んに行われるようになりました。管理職の方であれば、コミュニケーション能力の必要性を痛感し、個人的にコーチングを習う方も多くいるようです。

コーチングの主なスキルとして傾聴と質問があります。目標達成をするにあたり、しっかりと傾聴し適切な質問をすることで気付きを促したり、動機付けていったりします。一方で傾聴と質問はカウンセリングにおいても共通スキルのため、何が違うの?と思われる方がいます。


そこで、その違いについて触れていこうと思います。
まず最初の違いはスタート地点です。

少し想像してみて下さい。
心の状態というものにマイナス10からプラス10というレベルがあるとします。
解りやすいようにマイナス方向はネガティブ。プラス方向はポジティブと定義します。

コーチングもカウンセリングもどちらもより良い状態に導くという目的は同じですが、
コーチングは「夢」や「希望」「目標」といったポジティブな方向対して心の状態が0からのスタートになります。

カウンセリングは既に心の状態がマイナスにある方を0の状態に戻すという作業になります。そのため扱うものは「悩み」「不安」「トラウマ」などの問題解決になります。

2つ目の違いは進め方。
一般的にコーチングでは目標達成が目的になるので、以下の流れになります。
① 「何を得たいのか(目標の明確化)」
② 「現状はどうか(現状把握)」
③ 「目標と現状のギャップを埋めるためには何が必要か」
④ 「何から始めるか(行動計画)」


カウンセリングでは問題解決が目的になるので、以下の流れになります。
① 「現状の問題(現状把握)」
② 「どうなったらいいのか(理想の明確化)」
③ 「理想と現状のギャップを埋めるためには何が必要か」
④ 「何から始めるか(行動計画)」


2つを見比べると、①と②が入れ替わっていることに気付いていただけると思います。また、少し言葉のニュアンスが違う事にも気付いていただけると思います。

スタート地点と進め方の違いによってコーチングなのかカウンセリングなのかと呼び方が変わりますが、使うスキルはほぼ変わりません。

信頼関係を構築し、傾聴、質問によって相手に気付きを促すことで、目標達成のための新たな選択肢を生み出したり、問題解決のための今までにない視点を持っていただきます。そのためコーチングとカウンセリングの違いはあるようで左程ないというのが私の考えです。

コーチングやカウンセリングを学ぶのとNLPを学ぶのどちらがいいですか? という質問をたまにいただきますが、どちらもNLPで学べますというのが私の答えになります。当然、コーチングやカウンセリングにも様々な手法があり、それぞれに良いところがありますので、どれが良い悪いではないと思います。

NLPをやっている人でも別の手法を学ぶ人もいれば、別の手法を学んだがNLPも学びたいと来られる方もいます。何かと比較して良い悪いではなく、自分にとって良いと思えるもの、または自分にとって正しいと思えるものを選択するという事が大切だと私は考えます。
ただし、そこには柔軟性を持つという事を忘れてはいけません。






西前氏の「世界最高峰の心理学NLPを活かしたセールス・メソッド」が教材になりました。

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